3/11/2013

原発問題を追って 3.11.12 - 3.11.13

昨年の3月11日から1年の間にFacebookに投稿した原発関連記事。
※印は投稿に添えたコメント


【YouTube】青山繁晴ニュースの見方「フランスの原発廃炉現場を視察した2012.2.29」
※「気が遠くなる作業ってのはこのこと」

【NHK】韓国 原発の電源喪失事故で調査
※「プサンは福岡のすぐ対岸」

【毎日新聞】ドイツ:日本の「原発ムラ」降伏せず…メディアの関心高く
※「日本国民は声を上げない。「原発ムラ」はそれを見越し、頼みにしている」

【毎日新聞】保安院:防災強化に反対…指針改定見送り

【Daily Motion 動画】ドイツZDF フクシマのうそ
※「知れば知るほど根が深すぎて途方に暮れるが、それでも皆が知らなければ始まらない。どうか観て下さい」

【JB Press】まるで「演劇」だった原発立地自治体の避難訓練(烏賀陽弘道)
※「私たちが声を上げ、原子力ムラを解体することが出来なければ、このように歴史と将来を失う町が増えていくんだろう」

【Mail Online】Japan tsunami 'ghost ship' drifting to Canada

【Wonderful World】広域がれき処理は違法(1月30日の質疑から)
※「震災廃棄物(がれき)の広域処理は、根拠となる法律が存在しない違法事業」

【ウィンザー通信】これから人生を歩みだす子ども達だけでも、4~5年程度、安全な地域に移してあげるべき!

【VAJRAYANA 真理の探究】核汚染対策の手引き
※1997年にオウム真理教が信者向けに作っていた核汚染対策が、実に良く纏まっていて勉強になってしまうというお話・・・」

【JB Press】「放射性物質は煙突から管理されながら出てくるから大丈夫」と言い張った原子力保安院(烏賀陽弘道)
※「原子力ムラが国を支配した結果、その核汚染対策はカルト教団にも劣ることになった」

【通販生活】溝口敦の人生の失敗:元原子炉格納容器設計技術者・後藤政志さん(第1回)
※「『原子力の一番の問題点は、失敗が許されない技術だという点に尽きます』」

【通販生活】溝口敦の人生の失敗:元原子炉格納容器設計技術者・後藤政志さん(第2回)
※「『電力会社は普段は『原子力は安全です』と言っているのに、過酷事故を想定してフィルターを取り付けるということは、理屈に合わなくなるんです』」

【時事通信】4号機燃料プール、冷却停止=配管で水漏れ20リットル―東電(元記事リンク切れ)
※「最も状態が不安な4号機の燃料プール。復旧出来るのかな」

【YouTube】おーいでてこーい
※「小学生のころ読み漁った星新一のショートショートが動画に。見える人には見えていた」

【JB Press】福島県庁にSPEEDIのデータは届いていた!メルトダウンの恐怖の中、後回しになった住民避難(烏賀陽弘道)
※「そもそも避難しきれない数の人が住んでいる所に原発があり、事故時の被害想定が信じられないほど甘かった上に、県はせっかく手元に送られてきたデータに気付いてもくれないなんて」

【YouTube】Fukushima - Could 85 Times More Cesium than Chernobyl be Released?
※「Please share this information. Either route we take, knowing is the first step」

【Facebook】今日、第一原発の現場に入りました。…
※「福島第一に入った方からの報告」

【Greenpeace】The Chernobyl nuclear disaster: 26 years ago today
※「"It's 26 years later and what have the nuclear industry and its supporters learned? Nothing."」

【BBC】Ukraine to build Chernobyl 'cap' to stop radiation leak
※「チェルノブイリ。今ある『石棺』から放射能が漏洩しているので、その外側にもう一つレイヤーを作り、それが保つであろう100年の間に内側の石棺と炉を取り壊すと。2世代、3世代後まで続く負の遺産」

【東京新聞】寂聴さん、霞ヶ関でハンスト参加 大飯原発再稼働に反対(元記事リンク切れ)
※「『90年生きてきて今ほど悪い日本はありません。このままの日本を若者に渡せない』凄い・・・」

【Daily Motion 動画】ドイツWDR―事故の検証と「希望的観測」のほかなにもない原子力
※「福島だけでなく原子力全般の問題に迫っていて素晴らしい。しかしこういう内容が日本のメディアでは全く報じられない。海外のメディアで検証され、それを誰かが訳してくれるのを待って初めて情報が入るという情けなさ」

【JB Press】1年間封印された凄まじい破壊の痕跡 原発災害で時が止まった街へ(前篇)(烏賀陽弘道)

【YouTube】絶対原子力戦隊スイシンジャー
※「『原作 正力松太郎』(笑)」

【デジタルマガジン】テレビが報じない節電対策。節電にはエアコンを切るよりテレビを切った方が1.69倍効果的
※「原発が全て止まった日に、ろくにニュースでも取り上げず、原子力にまつわる特集も討論番組も組まないテレビなんてとっくに終わってるんだから、是非この夏はみんな率先して切って引導を渡してあげると良い」

【Fukushima Update】Press Release: Coalition Sends Urgent Request for UN Intervention to Stabilize  the Fukushima Unit 4 Spent Nuclear Fuel
※「4号機を安定させるべく国連は動くのか?それにしてもこういうこと、日本で報道されてますか?」

【YouTube】ドイツZDF「放射能ハンター」
※「被曝の危険を冒しながらチェルノブイリの調査・取材を続けているウクライナのジャーナリストが、その経験と知識を手に福島に乗り込み、目にしたものは・・・」

【読売新聞】東京湾の海底土のセシウム、7ヶ月で13倍に
※「NHKスペシャルで予見されていた通り、やはり東京湾に集まってきている」

【福島人権宣言を考える会】人権宣言

【47 News】大飯原発近くの斜面が崩落の恐れ 関電解析、14年度に工事へ
※「これで再稼働なんて正気の沙汰じゃない」

【毎日新聞】敦賀原発:破砕帯の危険性08年から指摘
※「だから日本では無理なんだって。もう終了なんだってば」

【47News】東電、福島原発の津波対策取らず 06年に保安院指摘後も
※「『敷地よりも1メートル高い津波に襲われた場合、保安院は『全国のほとんどの原発』が電源喪失に陥る恐れを指摘』これ、今も変わらないわけだよね?」

【JB Press】別世界のことに思えた「復興」という言葉(烏賀陽弘道)
※「時が止まった街からのレポート後編。言葉が出ない」

【脱原発の日のブログ】北九州市がれき搬入に市民の抵抗
※「未来に想像力が及ばない者が力を持つとこうなる。適切な設備も説明もないまま、なし崩しの搬入。座り込む市民を警察は力で排除。知恵も使命感も勇気も誇りも無いメディアは、それを伝えない」

【YouTube】FRYING DUTCHMAN "humanERROR"
※「AN OUTCRY FROM JAPAN, finally with English subtitles. Please watch!」

【JB Press】福島第一原発事故を予見していた電力会社技術者(烏賀陽弘道)
※「この人物があの時適所に登用されていたなら・・・と思うと無念でならない」

【ぼやきくっくり】「アンカー」菅前首相の事故調証言の問題点&今も続く福島原子力災害の隠蔽
※「そしてこれ。非常時の自分の権限を知らなかった総理大臣。唖然とするよりない」

【日々雑感】福井県が作成した、大飯原発事故時の避難計画がメチャクチャと話題
※「・・・もう溜息しか出ねえよ」

【毎日新聞】東電事故調:非を認めず 最終報告案「状況の把握困難」
※「反省の色全く無し!」

【BBC】Japan 'must restart' two nuclear reactors, Noda warns
※「This was a week ago, and they are trying to officially make the decision this weekend. "To protect the country's economy and livelihoods?" It won't matter a damn if the country becomes unlivable. Just how hard is it to understand that?」

【晴天とら日和】「原発講演会」高木孝一元敦賀市長の講演内容には言葉もない
※「この講演が29年前で、こいつが言った「50年後」は今からわずか21年後にやってくる。つまり僕の娘の世代が子供を生みつつある時代であって、彼はその子供たちがカタワでもいいと言ったのである。これほど明確に手の届く未来に想像力が及ばず、「今、目の前のカネ」しか見えない近視眼。それは現在の原子力ムラに於いても同じで、だから恐ろしいのだ」

【JB Press】「壊れない」ことにされていた原発の格納容器(烏賀陽弘道)
※「大飯原発の再稼動問題は反原発を訴えるのに判り易いターゲットではあった。でも大飯が動こうと動くまいと、福島は収束していないし、政府や東電の責任は検証、追及されなくてはならないし、原発という存在の不合理、不条理は一向に変わらない。そこで5日に発表される国会事故調の報告。世界の物笑いにならない内容になっているかどうか注視」

【東京新聞】原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」
※「ウチの1歳の子も『んなわけないっしょ!』と突っ込みかねない数字」

【DiaNuke.org】Keeping Silent After Fukushima is Barbaric: Ryuichi Sakamoto
※「Thank you, "Professor."」

【JB Press】草むしたゴーストタウンで福島第一原発を見た(烏賀陽弘道)
※「『これは放射性物質で汚染された区域への立ち入り手続きなのだ。それをファミレスのような対応でやっている。それを考えるとぞっとした』放射能汚染区域は単に入るのが危険なだけではなく、未だ事故が収束しないままの原発が至近距離にあるわけだから、あらゆるリスクに対して脆弱になっている。そこへ書き手のジャーナリストが身分を厳しくチェックされることもなくファミレス的対応で入れてしまうとは、国防という観点からも甚だ心許ない」

【JB Press】「一時帰宅」では戻らない平穏な生活(烏賀陽弘道)

【時事通信】津波21mまで「安全」=もんじゅ耐性評価―原子力機構(元記事リンク切れ)
※「『“全交流電源を失っても、ナトリウムが自然循環することで冷却機能を維持できることを前提に”評価を実施』『“これを上回る津波に襲われない限り”設備の安全性は確保できる』・・・『前提』『想定』が覆されまくって福島の事故は起こったんじゃないか。本当に何も学ばないし、学ぶ気もないんだな」

【JB Press】こうして住民避難はどんどん後回しにされた(烏賀陽弘道)
※「初動の遅れを招いたのは保安院?政府?東電?当時の官房副長官による政府の言い分」

【現代ビジネス】脱原発を訴える「反骨の外交官」が緊急寄稿!村田光平「新たな一大汚染の危機と国・東電の無策ぶり」
※「『東電だけでなく、国の実務責任者も『燃料棒の消火に水を使うことが許されない』という重要な事実を知らなかった』・・・何でこういうことを知らない連中が実務を担ってるのよ!? そしてこの危機感とスピード感の無さ・・・事故発生当時と何も変わっていないことに戦慄する」

【8bit News】原発作業員を「嘘の履歴書」で現場に。下請け構造不正の実態
※「言葉を失う」

【時事通信】原発ゼロ、明記せず=新エネ戦略「不断の見直し」―閣議決定文
※「『経済界』という謎の生物に屈してやっぱりこの体たらく。もんじゅも廃炉方針を示せず」

【JB Press】「仏壇」と同じだった原発事故対策システム(烏賀陽弘道)
※「巨額の金を投じて優秀な事故対策システム・防災システムを構築したのに、作った人々、使える人々を排除してしまい、いざという時に使えなかった愚かな国」

【JB Press】格納容器の調査に5年、燃料棒の片付けに11年(烏賀陽弘道)
※「僕はもちろん世界中から原発が無くなって欲しいと思っている。しかしとりわけ日本という国は原発を持ってはいけなかった、今でも持つ資格のない国だと痛感する」

【Twitter】12月14日のつぶやき
「原発がなかったらエネルギーが枯渇して云々」と嘯く推進派の語る未来には『原発とともに心中する』か『さもなくばエネルギー不足で死ぬ』という二つの『死』の選択肢しかない。『原発を捨て』『代替策を知恵を絞って考える』ことによって『生きる』未来を描いていく方が僕には魅力的」

【TheBulletin.org】An open letter to President Obama: The time on the Doomsday Clock is five minutes to midnight

【Wall Street Journal】東電に99億円請求した被ばく米兵8人の代理弁護士に聞く

【YouTube】汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年
※「一番被害を受けるのは子供たち。影響が出るのは何年も経ってから。因果関係が証明されるとすれば、さらに何年も何十年も先。子供を守れるのは、今現在の大人のアクションだけです」

【JB Press】政府も大企業もウソをつく(烏賀陽弘道)
※「ウソをつくのは政府や大企業だけではない。多くの人々が大丈夫だと信じたいがために自分自身にウソをついている。愛する人や自分自身、人類や地球の将来を質に入れて博奕を打ち続けている」

【Web Dice】原発事故の真実を明らかにすれば日本は変革をリードしていくことができる(パティ・スミス インタビュー)
※「良いインタビュー」

【Japan Times】TEPCO plans to dump 'cleaned' Fukushima No. 1 Water
※「UNBELIEVABLE.」

【RT】Chernobyl plant's roof collapses, but no radiation risk
※「At least they built the roof and the sarcophagus. Fukushima Daiichi is still naked.」

【Tenki.jp】震央分布図(過去100日間)
※「Earthquakes in Japan during the last 100 days.」

【JB Press】斑目氏が認めた事故対応の失敗(烏賀陽弘道)
※「一口に原子力ムラと言っても、そこには様々な組織の様々な思惑が絡んでいて実情は外から中々見えない。その一端が垣間見える貴重なインタビューの一回目」

【NAVER】もうすぐ事故から2年になる福島第一原発の現状
※「依然復旧の見通し立たず。あと一ヶ所でも同じような事故が起きたらもう立ち直れないだろう」

【税金と保険の情報サイト】不気味 福島県飯舘村で男の子が生まれない
※「これはかなり怖い」

【中国新聞】上関原発保証金の受領に賛成 山口県漁協祝島支店
※「甚大事故が起こって2年に満たない、その国で反対派の切り崩しが進むという異常事態」

【Greenpeace】Four things you should know about the Fukushima nuclear disaster

【NHK】大越キャスターが見た 福島第一原発の今
※「『大変な重装備』と言いながら高線量エリアを首丸出しで取材するキャスター・・・ぞっとする。それにしてもたった2年前なのに何十年も前のことみたいに『忘れまいあの時を』だなんて・・・どれだけ忘れっぽいんですか」

【T&Jメディカル・ソリューションズ】国際オリンピック委員会への提言
※「五輪招致などやっている場合なの?って話」

【本間龍の日記】私は東京オリンピック招致に反対です
※「五輪招致などやっている場合なの?って話、その2」

【JB Press】誤解して抜け出せなくなった斑目氏(烏賀陽弘道)
※「第2回。原子力安全委員会の役割、権限についてはっきり理解出来ていなかったので色々と勉強になる」

【日本経済新聞】アインシュタインがもし福島を見たら・・・
※「『聖書に書いてあるだろう』か・・・やはり原発は一つの宗教なんだね」

【東京新聞】耐久性より増設優先 福島第一 急造タンク群 3年後破綻
※「考えられない


5/18/2012

覚醒した者だけが夢を語り得る

原発問題は出来るだけ追うようにしている。歴史をそれ以前と以後に分断してしまうような大事故の後、当然のことと思っている。そして関連するニュースや取材記事のリンクをTwitterRTしたり、Facebookに貼り付けたりし続けている。自分でも思うところを言葉にして書くこともある。情報を、問題意識を共有して初めて、「その先」が開けると考えるからだ。

非日本語圏の記事も紹介している。日本人以外の友人にも現状を知って欲しいし、そもそも日本のメディアが避け続けている案件に切り込んだ優良記事も多いからだ。

反応は鈍い。シェアしたり、何かコメントを残したりしてくれる人は大抵ごく限られた同じ人々だし、多くの人は読んだという痕跡すら残していかない。殆どの人は読んでいないのだろう。Facebookでは面倒くさい、鬱陶しいということで僕の投稿がNews Feedに流れないように設定してしまった人もいるかも知れない。

余りにも被災地や原発問題の現実が厳しすぎ、重すぎるから、目を瞑って遣り過ごしたいという人がそれだけ多いのだろう。しかしアーティストの端くれとして言わせて貰えば、アーティストこそ最も現実を直視して生きていなければいけないと思う。そして僕の友人の大半がミュージシャンを始めとするアーティストであることを考えると、この静けさはどうかしていると思う。

ネガティヴなことは言いたくない、人に光や希望や夢を与えたいから、疲れた人々に癒しを与えたいからというアーティストたちがいる。結構だ。しかし現実に目を瞑るアーティストが語る夢物語は泡沫(うたかた)である。その場限りの麻薬である。身を投げようかという者に、まあ取り敢えず一杯やりたまえと酒を差し出すようなものである。

束の間辛さを忘れても、希望は生まれない。現実を知り、伝え、共に解決の道筋を探っていく中でしか、真の希望や夢を描いていくことは出来ない。そのような確かな手応えのある希望や夢をアートによって描くことが出来るなら、深い癒しも可能だろう。一方、現実と向き合うのがイヤだと眠りの世界に逃げ込んで、目を醒ましたくないと駄々をこねる者がいたなら、その頬を引っぱたいて現実を突き付けるのもアートの仕事だろう。

いずれにしても、アーティストは覚醒して現実に寄り添って生きていなければ使命を果たすことは出来ない。アーティスト自身が眠っていてどうするのだ。眠る者は夢を語れない。覚醒した者だけが夢を語り得るのである。

原発災害は、10万年単位、100万年単位での未来への想像力を僕らに要求している。それは途方もない時間のようだけれども、元々人類はそのような悠久の時の流れの中、自然と共に暮らす知恵を脈々と受け継ぎながら過ごしていたのだ――1万年ほど前に一部の人類が、自然を征服し世界を我がものにしようと決意するまでは。僕らはそのような時間感覚を取り戻さなければいけない。

100万年前の過去に思いを馳せ、そして100万年先の未来に想像を羽ばたかせ、その大きな時の流れの中で現在を見つめたい。その上で確かな希望の芽を感じられるような作品を僕は書いていきたいし、そのような取り組みを同世代のアーティストたちがもっともっとしなければいけないのではないかと思う。

そんな訳で、まだ出来上がっていない僕の次作には "A Million Years Ago, A Million Years Ahead" というタイトルが付いている。

3/15/2012

気付いたその時から始めなければならない

そしてまた3月11日が来て、世界中の人々が、様々な形で、被災地の復興を願い、命を落とした方々を悼み、また政府発表とは裏腹に一向に収束の気配を見せない原発事故を憂い、我が祖国の行く末に思いを馳せてくれた。

この一年、多くのミュージシャンが自らに問うたのではないだろうか。このような時に、どのような音楽を紡いでいくべきなのか、自分の負うべき役割とは何なのかと。

私の妻、麻衣子は11日、友人でマクロビオティック・シェフの山脇奈津子さんと共に、「子供と楽しむ」チャリティー・コンサートを行った。二人の母親の呼び掛けにより、会場であるNY市内のジャズ・クラブは多くの家族連れの御予約で満席となった。小さな子供たちにも馴染みのある曲を盛り込んだレパートリーと、身体に優しいお菓子・スナックで、皆さんに楽しんで頂けたように思う。

だが個人的に何より意義深く感じたのは、このコンサートを開催するにあたり、彼女が放射能汚染による子供たちの健康への懸念と、原発依存への反対意志を明確に表明したことだった。本人が意識していたかどうかは判らないけれども、腰が引けて何も言わない者が多い中、これは勇気ある宣言であり、私は我が妻ながら尊敬し、誇りに思う。

ただでさえ音楽が商売になりにくい昨今、政治・社会問題についての立場を明らかにすることは「得にならない」故に、多くのミュージシャンは口を噤むか、全方位的な「頑張ろう」などのメッセージでお茶を濁すのだ。だが社会に問題提起の一つも出来ないばかりか、既に提示され与えられた問題への立場表明も出来ずにアートやアーティストの存在価値など果たしてあるのかと、自戒を込めて思うのである。

私は去年の9月にMUSOH(無双)を立ち上げたが、原型はずっと前、2004年頃に出来ていた。それは1998年頃以降に読んだDaniel Quinnの諸作品から受けた衝撃がインスピレーションになっていて、以来私の作品の多くは、同じテーマに貫かれている。詳しくは彼の著作を是非お読み頂きたいが、非常に噛み砕いた言い方をすれば、世界が人類のためにあるという狂ったヴィジョンを捨て、自然界の法に従い、破局を回避する生き方の模索がテーマであると言える。ただこの数年、曲作りのテーマ自体は変わらなかったものの、それを殊更に明言することもなく「伝わる人に伝わればいい」くらいの態度で来てしまったところがある。

だが2010年の9月に結婚し、その半年後に震災が起こり、その3ヶ月後に私は父親になった。小さな新しい命を抱き、この上ない幸福や希望、父としての責任や使命感に包まれると同時に、それまで観念的な域を出なかった私の現在への憂いや未来への懸念は、いよいよ肚の底から感じられる身体的なものになった。そして私の音楽活動もようやく私という人間の、思考(頭)だけでなく身体や生活、つまり人間としての全体的な活動と一つになりつつあるように感じるのだ。そのような気付きがMUSOHの立ち上げに繋がっている。

遅きに失していると言われるかも知れないけれど、気付いたその時からやはり始めなければならないのだ、疎まれたり避けられたりするかも知れなくても、我が子、そして人類の将来に関わる重大事に口を噤んでいてはいけないのだと自分に言い聞かせ、信念を持った創作活動をし、またそれを人にしっかり伝えていきたいと気持ちを新たにした3月11日だったのである。

2/08/2012

The concept of "Lead Improviser"

To me, one of the strangest tradition in jazz improvisation is that people don't usually accompany drum solos. In most cases, the drummer would still be playing over the form, so it's not logical to just abandon him just because it's a drum solo.

Years ago a friend of mine told me, "Well, I guess it's because we think it's time for you to shine."
My answer: "Well, why don't you accompany me and help me shine then? That's what I've been doing the whole tune after all - I accompany every one of you guys, providing you with grooves, dynamics, accents and ideas, responding to your ideas and help you shine along with other accompanists. I think it'd be only fair if you do the same for me!"

People like to compare a group improvisation to a conversation. According to this analogy, the situation can be described like this:
A group of people is having a conversation over a topic. Everyone expresses their opinion about it, everyone else chimes in, nods along, agrees/disagrees, etc. - in others words, they give the real time, spontaneous feedback to the speaker at the moment. Very lively, fun chit-chat. And then ...as the drummer starts to give his share of thoughts, everyone else just stops talking and it turns into a speech. God, I hate that feeling.

Actually, I think the term solo in jazz context is misleading - or plain false. In most cases, a soloist doesn't play alone. He might be the featured improviser at the moment, but everyone else is improvising with him, too.

I also think that, to really have a conversation with music (not that you have to, but if you want to), we need to forget this old "soloist-accompanists" mentality and start learning from our real life conversational patterns. When we talk among ourselves, we don't designate soloists or set length. Someone might be leading the conversation at one moment, but it could be someone else a few seconds later, not because he was given his turn, but because the conversation naturally led that way. It's more of a continuous, organic process.

So, instead of "soloist," I'd like to use the term "lead improviser" to describe the person who leads the musical conversation at any given moment. I think this concept might get us out of the haunted "head-solo-solo...solo-head" routine and open the door to the world of real collective improvisation, where all the talks are interactive, multidirectional and continuous, and even the drummer won't be left alone when he happens to lead the conversation in the process.

12/31/2011

音楽とは根源的に愛の行為である

大学生の頃、僕はよく「音楽は愛だ」と後輩たちに説教していた。
まあ何となく雰囲気で言っていた部分もあるのだが、一方でその言葉に含まれる真実には確信も持っていた。

日本の大学ビッグバンド・シーンには某有名楽器店主催のコンテストがあったりして、それは学生たちが腕を磨くモチベーションとしては良いのだが、競争心が過剰になる余り他所の学校から優秀なプレイヤーを引き抜いたり、僅かな技術の差がレギュラー/補欠という地位の違いとなって現れ、演奏出来る機会を多く持つ者とそうでない者が生まれたりと、音楽が本来もたらしてくれるはずの心の豊かさを奪う悲劇も起こったりした。きっとそれは今でも起こっているのだろう。僕自身もそういった特有のカルチャーに翻弄された経験があり、反発していた。だから自分がリーダーとなったとき、後輩たちには「コンテストで入賞するなんてことは音楽の本質とは微塵も関係がない」ということをきっと切実に伝えたかったのだ。

ただ当時は、それがどうして愛という言葉に繋がったのか自分でも判っていなかった。
今は判る。そして今改めて「音楽は愛だ」とつくづく感じている。

誤解のないように申し上げておきたいが、僕は決して、技術を軽視して「気持ち」で音楽が何とかなると思っている人たちには与しない。音楽を実際に創る行為には技術が不可欠で、それは身に付けなければならないものだ。情熱だけで家は建たない。釘を打つこともままならないようでは、不格好な小屋さえ建てることは叶わず、永遠に設計図(楽譜)を眺めるに留まるしかない。

そういう精神論ではなく、音楽とは根源的に愛の行為なのだ。

何故なら音楽とは、インスピレーションの泉から汲み上げた美や神秘や真実を慈しむ心から生まれるものだからだ。
何故なら音楽とは、そのような美や神秘や真実を、人々と分ち合いたいという衝動の産物だからだ。
何故なら音楽とは、そのような美や神秘や真実を形にするために、私心を滅し、尽くし、身を捧げる行為だからだ。
何故なら音楽とは、そのような美や神秘や真実に共鳴する仲間と手を取り合い、互いの創造性や表現に敬意を払いながら作品という我が子を育て上げていくプロセスだからだ。
何故なら音楽とは、そのような美や神秘や真実を、音という奇跡的な媒体を通じて伝え合い、感じ合い、響き合わせる、至上の官能的体験だからだ。

音楽は愛だ。

今年一年、愛を受け止め、愛を投げ返し、愛を広めてくれた全ての方々に感謝を込めて。
来る2012年、皆がより一層愛し合える世界でありますように。

12/03/2011

Music is only a half of a musical experience

You listened to a piece of music and it touched your soul so deeply it changed your life. Now you are his devoted fan, and can't wait to share this artist's masterpiece with someone. One night a friend comes over to your house and you play one of the artist's CD in excitement of blowing his mind...

The result was not what you expected.
Not only was your friend not impressed and didn't care for it, but he went on to explain how and why he didn't like it, and then thanked you for wasting his time.

In disbelief you accuse your friend for being such an ignorant and unsophisticated person.
Are you kidding me!?
How can you NOT love this music?
How can you NOT get this beauty?
You have no depth, no taste, no sensibility!

A while after your friend stormed out, you begin to wonder.
Could it be me...?
Could it be that I was the one with bad taste?
Could it be that I was the one who was ignorant and unsophisticated?
All of a sudden, you feel your love for this artist and his music fading away...

...The above is kind of an extreme example, but similar stories are happening everywhere in the world. Everyday, someone's wonderful musical experience gets dismissed, dimished and destroyed by someone else's opinion. I have certainly experienced such unpleasant moments.

Dear music lovers, don't get discouraged. Your friend can dislike your favorite artist all he wants, but no one can ever touch your experience of being exposed to the artist's music. It is yours and yours only, and no one could ever experience the same thing.

There is no such thing as universally great music that moves anyone, anytime, anywhere. Why? Because experiencing fine music cannot be determined by the music alone, just like experiencing fine dining cannot be determined by the food alone.

Even if the dish is prepared with the world's best ingredients, skills and presentation, it's still only about a half of the factors that decide the whole experience of having a great dinner. The other half is called circumstances. Is the atmosphere good? Is the server courteous and informative? Are you with someone you love? What stage of life are you in? Are you happy? Are people at the other tables nice? Is it reasonably priced? ...all these things can have great impact on your evening, good or bad.

So you see, your friend did not have the same experience as you'd had, when he listened to your favorite music. He couldn't have. Music was the same, but the circumstances were different. Different place, different time, different stereo, different volume, different company, different age, different state of mind, different person... what can you do?

Musicians need to be humble. We strive for excellence, we put a tremendous amount of effort and time into our "dishes," but we cannot control our listeners' musical experience after all. All we can control is our music. Everything else is circumstantial.